義務教育の新しい目標

  新教育基本法に盛り込まれた「教育の目標」(2条1号~5号)の実現を目指し、学校教育法に新しく「義務教育の目標」が定められた。現行の学校教育法においても、各学校段階ごとに「教育の目標」が示されてきたが、このたびの法改正により、義務教育全体を貫く「目標」が明確に位置づけられたことになる。そして、この「義務教育の目標」を敷衍する形で、次期学習指導要領における各教科等の目標が定められることに留意が必要であろう(「義務教育の目標」は、以下の10項目)。

① 学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神   に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。

② 学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養う   

  こと。

③ 我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

④ 家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。

⑤ 読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。

⑥ 生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。

⑦ 生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。

⑧ 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図

  ること。

⑨ 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。

⑩ 職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。

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