教室の困っている発達障害をもつ子どもの理解と認知的アプローチ

非行少年の支援から学ぶ学校支援

教室の困っている発達障害をもつ子どもの理解と認知的アプローチ
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医療少年院で実践し効果が得られた視点を通して、教室で困っている子どもたちへの支援のヒントを解説。

著者 宮口 幸治
ジャンル 教育基本図書セット > Dセット 特別支援教育
特別支援教育
シリーズ 明石書店
出版年月日 2017/02/14
ISBN 9784750344584
判型・ページ数 B5・180ページ
定価 本体1,800円+税
会員社名 明石書店

目次

はじめに


Part1 障害をもった非行少年の特徴と学校で困っている子どもの背景

1.何が問題になっていたのか
 医療少年院に赴任して
 医療少年院の非行少年たちは病院とは全く違うことが問題となっていた
 みる力やきく力の弱さは被害感にもつながる
 ケーキが切れない非行少年たち
 特別な支援が必要な非行少年の実態
 子どもが少年院に行くのは“教育の敗北”
 彼らは手遅れなのか?
 学校で困っている子どものさまざまな行動
 困っている子どもの特徴《5点セット+1》

2.認知機能の弱さ
 認知機能とは?
 もし認知機能が弱ければ?
 きく力、みる力が弱ければ?
 想像力が弱ければ努力できない
 非行の反省もできない

3.感情統制の弱さ
 キレやすい子ども
 ある性非行少年の背景
 “怒り”の背景
 “怒り”は冷静な思考を止める
 感情は多くの行動の動機づけ

4.融通の利かなさ
 思考の硬さと不適切な行動
 被害感が強まって不適切な行動にも

5.不適切な自己評価
 自分のいいところは“優しいところ”
 なぜ自己評価が不適切になるのか?
 適切な自己評価が自分を変える

6.対人スキルの乏しさ
 対人スキルの乏しさとその背景
 嫌われないように非行をする
 サービス業にもつきにくい
 性の問題行動につながることも
 イジメ被害が性非行を生む

7.身体的不器用さ
 不器用な非行少年たちは致命的
 身体的不器用さとは?
 不器用さは周りに知られてしまう
 身体的不器用さの特徴と背景

8.性の問題行動
 発達障害、知的障害をもった性加害少年は最難関
 そもそも性の問題行動とは何か?
 性加害の問題点
 性に必要なコミュニケーション力とは?
 ブレーキをかける力とは?
 本人の自覚がない性被害も
 性のマナーは価値観によるところもある
 性教育から性の問題行動の教育へ

9.生育環境の問題と支援者の誤解
 不適切養育と非行
 保護者の理解の乏しさ
 加害者の保護者
 支援者の誤解


Part2 具体的支援と学校教育との連携

1.非行少年たちが変わるとき
 非行少年たちはこんなときに変わった
 共通するのは自己評価の高まりと気づき
 やる気のない少年たちが変わった
 子どもから嫌われないこと
 3方向からの子どもの具体的支援

2.社会面への支援
 3つのトレーニング
  ①感情トレーニング
  ②対人マナートレーニング
  ③問題解決トレーニング

3.学習面への支援
 認知機能向上への支援
 COGET(認知機能強化トレーニング)の活用
  ①写す[点つなぎ:みる力(視覚認知)の基礎力をつけます]
  ②覚える[最初とポン:きく力(聴覚のワーキングメモリ)をトレーニングします]
  ③数える[記号さがし:注意・集中力、ブレーキをかける力、処理速度の向上を目指します]
  ④見つける[形さがし:黒板を写せるなど、形の恒常性の力をつけます]
  ⑤想像する[心で回転:相手の立場を想像するなど、心的回転力の力をつけます]
 COGET(認知機能強化トレーニング)の活用例
  ①「写す」の例
  ②「見つける」の例
  ③「覚える」の例
  ④「数える」の例
 COGETによる機能的アプローチの効果

4.身体面への支援
 認知作業トレーニングCOGOT
 自分の身体
  ①身体を知る[ボディイメージ・バランス感覚の向上]
  ②力加減を知る[筋力調整]
  ③動きを変える[身体的注意力の向上]
 物と自分の身体
  ④物をコントロールする[協調運動(粗大運動)の向上]
  ⑤指先を使う[協調運動(微細運動)の向上]
 人の身体と自分の身体
  ⑥動きを真似る[動作の記憶]
  ⑦動きを言葉で伝える[動作の言語化]

5.家庭への支援
 保護者が嫌う言葉

6.支援者支援
 職場の理解
 教師の権威の低下
 教師の評価

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