多文化教育

  アメリカ合衆国憲法と独立宣言に示されている自由、平等、正義、公正、人間の尊厳という哲学的理念の上に構築された概念で、1960年代以降、主にアメリカで、その後イギリス、カナダで発展してきた。人種、エスニシティ、社会・経済的階層、ジェンダー、性的指向性、障害などにおける社会的マイノリティの権利を擁護するための教育改革運動であり、多文化共生の下で生きるすべての市民にとって不可欠な知識、スキル、態度を育てる教育実践である。

日本では、外国人児童の増加により注目されるようになった。日本に暮らす外国人は200万人を超え、学齢期の外国人児童は約17万人と言われている(日本国籍取得者は含まず)。入管法改正により日系人移民の増加が著しく、その子女が日本の学校になじめないなどの問題が山積している。外国人住民の多い地域では外国人児童が半数を超える学校もあり、多文化教育の重要性が指摘されている。

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