いじめ防止対策推進法 ★

平成25年6月、与野党の議員立法によるいじめ防止対策推進法が可決・成立した。2011年の大津市の中2男子自殺な

ど、深刻ないじめの状況を受けた措置。いじめの定義やいじめ防止対策の基本理念とともに、学校などでの体制づくりや施策の方向性について示しており、国を挙げたいじめ対策の第一歩となることが期待されている。

新法では、同じ学校に在籍しているなど、一定の人間関係にある児童生徒が行う行為によって対象者が心身の苦痛を感じているものを「いじめ」とあらためて定義。そのうえで、○国が定める「いじめ防止基本方針」に基づき、地方自治体や学校も方針を策定する、○学校は、教職員や心理・福祉の専門家などで構成するいじめ防止対策組織を常置する、とした。

 さらに、このいじめ防止対策推進法を受け、同年10月11日、条文標記があいまいな同法の運用を定めるために、国の「いじめ防止基本方針」を取りまとめた。基本方針は、重大ないじめについて、○被害者が自殺を図る、○被害者が身体や金品に大きなダメージや被害を受ける、○被害者が精神疾患になる、○被害者が1か月程度の不登校になる---と定義した。そのうえで、各教育委員会の下に日頃からいじめに対応する付属機関を設置し、この機関が日常的にいじめを調査するべき、とした。調査機関の構成については、弁護士や医師など専門知識のある第三者を具体的に明示、いじめ事案の関係者と利害関係がないことや、学会や職能団体の推薦を要件に盛り込むことで中立性を確保することとした。

国のこの基本方針を受けて各教育委員会がさらに基本方針を策定、さらに各学校でも基本方針を策定することになる。

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