ヨーロッパにおける移民第二世代の学校適応
スーパー・ダイバーシティへの教育人類学的アプローチ
目次
序章 ヨーロッパにおける移民第二世代の学校適応への教育人類学的アプローチ[山本須美子]
はじめに
本書の特徴――教育人類学的アプローチの有効性
本書の構成
第Ⅰ部 移民の社会統合と第二世代の学校適応
第1章 OECDの移民調査にみる移民第二世代の学校適応――国際比較調査の意義と限界[斎藤里美]
はじめに
第1節 OECDによる移民調査と各国の多様な背景
第2節 移民の「社会統合」とは何か
第3節 移民第一世代および第二世代の学校適応
おわりに
第Ⅱ部 移民の子どもの学力と移民教育政策
第2章 ドイツにおける移民の子どもの学校適応――学力と進学先に着目して[布川あゆみ]
はじめに
第1節 ドイツにおける「移民」
第2節 ドイツにおける移民の子どもの学力
第3節 移民の子どもの進学先
おわりに
第3章 イギリスの教育制度における移民第二世代[小山晶子]
はじめに
第1節 イギリスにおけるエスニック・マイノリティ
第2節 移民教育政策の変遷にみるエスニック・マイノリティの学校適応・不適応
おわりに
第4章 オランダにおける移民の子どもの学力と進学先[見原礼子]
はじめに
第1節 オランダにおける「移民」
第2節 オランダの教育制度
第3節 移民の子どもの学力と進学先
おわりに:オランダにおける移民教育政策のゆくえ
第5章 ベルギーにおける移民の子どもの学力と進学先[見原礼子]
はじめに
第1節 ベルギーにおける「移民」
第2節 ベルギーの教育制度
第3節 移民の子どもの学力と進学先
おわりに
第6章 フランスにおける移民教育政策――第二世代に対する教育政策の不在[小山晶子]
はじめに
第1節 フランスにおける「移民」
第2節 第一世代と第二世代の学校適応
おわりに
第7章 EUにおける教育政策と移民の社会統合[小山晶子]
はじめに
第1節 EUにおける教育政策と移民
第2節 EUにおける移民第二世代
おわりに
第Ⅲ部 イスラーム団体による学校適応への取り組み
第8章 ヒズメット運動の思想と教育への取り組み――ドイツでの展開を参照して[石川真作]
はじめに
第1節 運動の性質
第2節 ヒズメット運動と教育
第3節 ドイツにおけるヒズメット運動の展開
第4節 デュースブルクおよびエッセンの事例
おわりに
第9章 ヒズメット運動の公教育への展開とその特徴――ベルギーの事例から[見原礼子]
はじめに
第1節 教育展開の出発点:学習支援センターの設立・運営
第2節 公教育への展開と学校の沿革
第3節 ヒズメット運動系学校の特徴
第4節 ヒズメット運動系学校とはいかなる学校なのか
おわりに
第Ⅳ部 フランスの移民にみる学校適応の捉え方
第10章 移民の子どもの「学校適応」を支える保育学校の役割と実践――フランス・パリ郊外の優先教育地区の事例から[植村清加]
はじめに
第1節 フランスの移民の学校適応・不適応に関する議論
第2節 調査地概要
第3節 パリ郊外ジャンティイの保育学校での教育実践の現状
第4節 考察
おわりに
第11章 アソシエーションによるセイフティネット――パリのグット・ドール地区アドスの事例から[渋谷努]
はじめに
第1節 グット・ドール地区の住民
第2節 グット・ドール地区の再開発とアドスの始まり
第3節 現在のアドスの運営
第4節 現在のアドスの活動
第5節 アドスと学校適応/社会適応
おわりに
第Ⅴ部 宗教・ジェンダー・エスニシティからみる学校適応
第12章 イースト・ロンドンの女性ムスリムの社会統合――教育、ジェンダー、信仰[安達智史]
はじめに
第1節 イギリスの教育システムと女性ムスリム
第2節 調査概要
第3節 教育意識
第4節 家族の教育への関与
第5節 イスラーム、キャリア、結婚
おわりに
第13章 フランスのポルトガル系移民の学校適応[鈴木規子]
はじめに
第1節 ポルトガル系移民の特徴
第2節 ポルトガル系移民の学校適応:エスニシティ比較
第3節 ポルトガル系政治家にみる学校適応
おわりに
第14章 オランダの中国系第二世代にみる学校適応の要因――文氏宗親会による学業達成賞受賞者へのインタビューから[山本須美子]
はじめに
第1節 中国系移民の学校適応に関する先行研究の整理
第2節 文氏一族のオランダへの移住史とインタビュー対象者の位置づけ
第3節 学業成績をめぐるフレーム:インタビュー結果から
第4節 考察:学校適応の要因
おわりに
あとがき[山本須美子]
索引